
photo by mayumi yamauchi
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photo by mayumi yamauchi
自分は、樵(きこり)。
樵というのは、自分のヤマを手入れする人、というより、伐採請負する人のことを言うと思う。
北海道だと「やまご」。
そう、やってることは伐採請負が多いけど、目指していることは人に忘れられた森を美しく手入れして、持ち主や町の人たちになんだかんだ楽しく関わってもらうきっかけを作ること。
それを仕事として成立させるために、仕事だったり遊びだったりを、いろんな人たちと関わりながらやっている。
だから、仕事としては「林業」だけど、ヤマや人との関係性でいうと「樵、森づくりを核とした関係づくり」とも言える。
これはとても一人でできる仕事ではない。
きちんとした関係づくりは、はっきり言って苦手分野だ。
それで、outwoods 足立成亮 と組んで仕事(遊び)することがほとんどだ。
コンセプト・空気感を共有できる数少ない人だから。
足立とは現場ごとに一緒になる。
現場が終われば、それぞれの仕事にもどる。それも昔からの樵のスタイルと同じだ。
そういうわけで、一言で説明するのは難しいけど、全部ひっくるめて「樵」ですって言うことにしてる。
お客さん、つまりヤマを持っている人、団体なんかが自分にとってのお客。
これは町、つまり、町有林だったり、学校林だったり、また個人のヤマ持ちさんだったりする。
北海道の、こだわりのある森づくりができるフィールドが自分たちの仕事場。
ヤマが美しくならなかったらやりたくない。
森がずたずたになってしまうような現場も昔はやったけど、もうこりごりだ。
人に忘れられた森は、「おのれ生え」の天然木が混じっている。
そういう木は土地にあっているから、残してバランスをとっていくと美しくて、台風とか雪害にも強いヤマになる。
難しいけどやりがいがある。
20年以上、なんだかんだ北海道のヤマに関わってきた。
田舎では「ヤマ」は、木が生えてる場所という意味で使われる。
だから平らな「ヤマ」もある。
ヤマをよくよく見ていくと、どう育っていきたいのかだいたい感じる。
木が混みすぎて苦しそうだったら、少し光を入れてやるために間伐してやるといい。
木を伐ったら、幹も枝も、葉っぱも、無駄なく利用しなきゃと思う。
木は重たい。ヤマは歩きにくい。だから道が必要。
相棒のoutwoods 足立成亮 がつくる道は美しい。
まず道をつくって、バランスを考えて間伐して、そして木を出す。
ヤマをできるだけ傷つけないように。日々勉強。
自分たちがやっているのは、いまどきの林業では少数派の、チェンソーで倒す、枝を切って丸太にする、機械で道に引っ張り出し運ぶ、というスタイル。作業するのは大変だけど、ヤマはしっかり残るのがいいと思っている。
コストは、オール機械でやる今どきスタイルよりは少しだけ高いかもしれないけど、将来にできるだけ財産を残す気持ちでやっている。
細かい話は、文字で伝えるのはすごく大変だから、あとは現場で。
photo by mayumi yamauchi
そういうわけで、ほとんどの現場ではoutwoods 足立成亮 と一緒に仕事している。
彼のwebサイトと写真がかぶっているのは、いつも現場で自分らの写真をとってくれているのがmayumi yamauchiだから。
現場の雰囲気は彼女のインスタグラムでも感じとれる。
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